こちらは有閑倶楽部二次創作小説ブログとオリジナル小説ブログです。 日々の出来事もつぶやいています。 原作者・出版社とは一切無関係です。 誹謗中傷・作品の無断転載は禁止です。 管理人の文章やブログスタイルが合わない方はご遠慮下さい。不快と感じたコメントは削除致します。
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こんばんはっ!
い、一応、バレンタインネタです。
えっと、もちろん続編も考えておりまして、まだ手はつけてないんですけれど。。
ホワイト・デーに向けてのお話になります!!
それでは~~~♪
朝、昇降口にある下駄箱を見て僕は唖然とする。
色とりどりにラッピングされた箱・箱・箱・・・
思わず周りを見渡す。
自分だけではない、もちろん。
けれど、この量。
そして他の男子学生の羨ましそうな、視線。
ああ、そうでしたね。
今日は、特別なんでしたっけね・・・
僕は両手にその、勝手に入れられた大量の箱を持って生徒会室へと向かう。
今となっては習慣となっているその行動。
二学期の終わりに、かつてない例外として、高等部一年生である僕達“有閑倶楽部”が生徒会を乗っ取った。
僕はドアに掛かった“有閑倶楽部”のプレートを正常な位置に直すと、ゆっくりと開けた。
やっぱりね。。
部屋は甘い香りが漂い、テーブルには思った通り、煌びやかな箱が無造作に重なっている。
「ふ~ん」
思わず、溜息とも言えぬ声を上げてしまう。
テーブルへ、放り出すように両手のそれらを置く。
「おはよ、生徒会長。チョコ、いくつ入ってた?」
長い金髪をかき上げ、頬杖をつき、満足そうに微笑みながら僕に聞いてくる。
「さあ・・・でも、美童ほどではありませんよ、もちろん」
「だろうね♪」
昇降口から先にこの場所へ来ていた野梨子が、気の毒そうに緑茶が入った湯呑みを渡す。
「魅録の分もここに入ってますのよ。
下駄箱に入っていたチョコレートなんて気持ちが悪いって、置いて行きましたわ」
「女の子の気持ちを大切にしないでさ。酷いよね」
「そうですわね。でも・・・分かるような気もしますわ」
「想いは大切にしないと」
朝の静かな風景から一転、嵐のようにドアを開け、嬉しそうな悲鳴を上げて入って来た・・・
「うわぁーい!イッパイもらっちゃった♪」
両手に、両腕に、抱えられないほどのチョコレートが入った箱。
「美童より多くありませんこと?」
「ちぇっ・・・一応、女の子でしょ、悠理は」
「うへへ~。見て、イッパイある♪」
無邪気に僕へとチョコレートの箱を見せる彼女から、忘れかけていた記憶が甦った。
「そう、誰が贈ったかにもよりますよね。想いは、ね」
「へ?」
そうか、一年か。まぁ、別に驚きはしないけれど。
「どう想ってるか?」
「ナニが?」
「バレンタインに、チョコレートを贈る気持ちですよ」
「ん?」
「ああ、忘れちゃってる」
こいつが覚えてるワケないか。
ちょっとでも期待した僕が、愚かだと。
「悠理は誰かにあげないの?」
「ナニを?」
「ナニって、チョコレートでしょ?」
「ばっかでー!チョコはもらうもんだよ、昔から」
「ほう・・・ほうほうほう」
「清四郎、いつからサンタになったの?」
「・・・・・」
ああっ!
僕はこいつよりも愚かで、馬鹿だったとはっ!
ん・・・愚かも馬鹿も同じ意味か・・・
情けない。
こんなヤツの為に、三日も悩んだなんて。
「ああ、本当に無駄な時間を過ごしたもんだな」
不可解な顔をした悠理に、僕は最高の笑顔を向ける。
「さあ、悠理。僕の気持ちをあげましょう!」
僕はテーブルの上の大量にある箱を一つ手にすると、彼女にそれを手渡した。