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こちらは有閑倶楽部二次創作小説ブログとオリジナル小説ブログです。 日々の出来事もつぶやいています。 原作者・出版社とは一切無関係です。 誹謗中傷・作品の無断転載は禁止です。 管理人の文章やブログスタイルが合わない方はご遠慮下さい。不快と感じたコメントは削除致します。

2015/07/09

ボツネタ 16

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さて、ボツネタも16作目となりました。
ボツネタ・・・なので、ご了承ください。。

本日はこちらのブログにアップです!







おしゃれなダイニングレストランで清四郎と待ち合わせ。
何でかって?
そう、メンバーで行く夏休みの計画を立てるため。
この間の昼休み、幹事を決めるのにみんなでじゃんけんしたら、あたしと清四郎が負けちゃったってわけ。
で、今日。ちょっと早いディナーをかねて決めようって。
普段通りの放課後の生徒会室とか、メンバーの誰かを含めてどちらかの家でやるのかと思ってたからちょっと驚いた。
そしてちょっと・・・嬉しかった。
でも昨日の夜になって、やっぱり二人っきりで食事しながら計画を立てるなんてあたしには無理だって思った。
自分の行きたい場所を言うのは簡単だけど、それに合わせた移動方法や宿泊先、時間の過ごした方なんて考えるのはムリ!
頭のいい清四郎相手に、絶対ムリ!バカにされちゃうし、そしたらどうしていいかワカンナイよ。
いつもみたいに誰かがそばにいて、つっこんでくれるんならいいけどさ。
ない頭を使って考えに考えて、結局魅録を助っ人にすることにした。
魅録はいいよって返事をくれた。
清四郎にも連絡したら、魅録なら助かりますねって言ってくれた。
レストランに着くと、ウェイターが席まで案内してくれた。
カウンター席にはもう清四郎と魅録が座っていて、奥の席が空いていたからそこに座ろうと思ったら、清四郎が席を移動してあたしを二人の真ん中に座らせた。

「お嬢様は真ん中へどうぞ」

って笑いながら。

「人を誘っておいて遅刻とはなんだ」

って魅録も笑って言った。
カウンターにはもういくつかの料理が並んでいて、二人の飲み物もピッチャーにたっぷり用意されていた。

「悠理は何が飲みたい?もちろんソフトドリンクですよ」
「わ、分かってらい!えっと、オレンジジュースでいいや」
「オレンジのフレッシュジュースですね。僕達はハーブティをいただいているんです」
「後は悠理の食いたいもんだな。お前が好きそうなのはだいたいオーダーしといたけどさ」

目の前にはローストビーフやピザ、パスタとマリネ、サラダもある。

「これで十分。足りなくなったら注文するから」
「オーケー!」

タイミングよく来たウェイターにあたしの飲み物をオーダーしてくれる清四郎。
すぐにそれは運ばれ、三人で乾杯した。

「じゃあ、さっさと決めちゃいますか。夏休みの旅行先」
「だな。ま、幹事の特権で、お前らが行きたい場所でいいと思うけど」
「悠理には逆らえませんからねぇ。ね、悠理、どこがいいです?」

両方から話しかけられる。いつもより、ナンだか、優しい二人に。

「う、う~ん、どこがいいかな?国内?海外?父ちゃんに、どっか暑い島に連れてってもらう?」
「そうですね、一応受験生ですから、国内の近場でいいと思うんですよね、今年は」
「移動が面倒くさくなくて、暑さから逃れられて、観光もできて」

てきぱきと清四郎と魅録が場所を企てる。
で、結局、千秋さんが所有する避暑地にある別荘に決まる。
スパもあって遊園地もあって、ちょっとした観光も楽しめる。
交通機関もまあまあだから、多分他メンバーも文句は言わない。

「美童を含めた他女性陣は、スパに満足するでしょ」
「別に温泉施設もあるし。決まりだな」
「決まりで大丈夫ですね。悠理もいいでしょ?レジャー施設もいくつかあるようですよ」
「うん。そこでいい」

行き先が決まり、次に具体的な日付や交通機関の利用へと移った時、魅録のスマホにバイク仲間から連絡が入った。

「わりぃ。ちょっと席外す」

テラスに出て電話してる間、あたしと清四郎の会話が途切れる。
何を話したらいいのかさっぱり分かんない。やっぱり、思った通り、こうなる。
清四郎は食事をするでもなく、お茶を飲むでもなく、カウンターの向こう側にある観葉植物を眺めているみたい・・・
意味もなく、グラスのジュースを口にするものだから、なくなってしまう。
グラスに残る小さくなった氷が、カランって音を立てた。

「ねぇ、悠理」

びっくりして上半身が思わずのけぞった。
清四郎が声をあげて笑う。あははって。

「名前呼ばれてびっくりしたの?授業時間と間違えた?」
「ま、まさか」
「ジュースのおかわりは?」
「うん」
「せっかくだから料理をいただきましょ。ここのローストビーフは評判ですよ」

清四郎がトングでビーフとサラダを皿に丁寧に取り分けて手渡した。

「ありがと」

おかわりのジュースもオーダーしてくれて、何だかいつもと違う人みたい。
今日は清四郎も魅録も優しいねって言ったら、いつもでしょって答えた。

「そうかなぁ。普段はちょっと風当たりが悪いよ」
「きっと今日の悠理が、とっても大人しいからですよ」
「へ?」
「今日の悠理は、女の子みたいだ」
「どういう意味だよ!はじめっから女だよ!」

あたしは清四郎に向かって頭を小突くマネをする。
とっさに清四郎はあたしの手をつかんだ。
その手を引こうとしたら力が入り、ほんの一瞬、真面目な顔で見つめらた。
カッと頬が熱くなるのを感じる。
わりぃわりぃと言いながら魅録が戻ってきた。
椅子に座りもせずに、今から行くところができたからと言ってお茶を飲み干すと、じゃあと片手をあげていなくなった。

「飯代はあとで請求して」

そういうところは魅録らしい。
魅録がレストランからいなくなると、あたしと清四郎は顔を見合わせて笑ってしまった。

「魅録を見てると緊張がほぐれるよ」
「僕といるから緊張したの?」
「ま、まさか!(でもちょっと合ってる!)」
「ふうん・・・実は僕も悠理との約束、自分で約束しておきながら緊張してたんです。
それで昨日、悠理からの連絡でちょっとほっとしました。魅録がいることで、会話がしやすいでしょ」
「あたしのこと、苦手?」
「全然。一緒にいたい。でも、どうしていいか分からない、そんなところでしょうか」

今度は首筋まで熱くなる。
言葉が見つからなくて、あたし・・・

「さ、夏休みの計画」

清四郎はバッグからタブレットを取り出す。
マップを見ながら電車やバスの時刻を調べる。
二人で小さなタブレットの画面を見ていると、とっても嬉しい気持ちになる。

「こんな感じなら、魅録を誘わなくても大丈夫だったかも」

思わず本音が出ちゃう。

「そうですか。いや、魅録が最初に居てくれたからこそ、こうして悠理と過ごせてるって思いますね、僕は」
「うん」

あたし達はそれから、オーダーした料理を残さず全部食べた。
だって清四郎と魅録があたしのために選んでくれたんだもん。
それに・・・清四郎が、あたしと同じ気持ちでいてくれたことが嬉しくて。

レストランを出て、ちょっとだけ夕暮れの街を歩く。
まるでデートみたいに。
人混みに紛れたとき、清四郎はあたしの手を取って握る。
ドキドキしたけど、あたしも握り返す。
ちょっと恥ずかしかったから、ブラブラとその手を大きく振ってみた。
まだ、帰りたくないよ、と言う気持ちを込めて。

「これから二人で、デザートを食べにどこかへ行きませんか?お口直しと言うことで」

あたしは返事の代わりにその手をグルグル回す。嬉しすぎだし、照れくさいし。
そしたら清四郎はあたしの手を握ったまま、笑いながら走り出した。

拍手[18回]

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コメント

1. 可愛くて悶えた

甘い!とっても甘くて、二人とも柔らかくて悶えました。
魅録の立ち位置も最高です。

デザートを食べにどこかへ・・・。
(やばい・・違う方向に頭が・・)
パフェかなんかですよね?きっと。<そうだと言って

お手々繋いでぐるぐる!なんてもう悠理らしくって。
可愛いよーーー!
それに付き合って微笑んでいる清四郎が完璧に脳内で再生されました。
kotan様!GOOD!ですよ。

うつき様

いつもコメントをありがとうございます!
かわいいと言って下さって嬉しいです♪
“ボツネタ”シリーズも毎回似たようなお話で申し訳ないです。。
別ブログのお話がちょっと悲しかったので、今回は初々しい二人に描いてみました。
悠理に合わせる清四郎も素敵かな~♪って思いますね。
GOOD!、嬉しいです!!

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