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charm anthology

こちらは有閑倶楽部二次創作小説ブログとオリジナル小説ブログです。 日々の出来事もつぶやいています。 原作者・出版社とは一切無関係です。 誹謗中傷・作品の無断転載は禁止です。 管理人の文章やブログスタイルが合わない方はご遠慮下さい。不快と感じたコメントは削除致します。

2014/01/30

あしたのむこう 4

ご訪問ありがとうございます。
拍手も嬉しく思います!



今回も悠理ファンには辛い内容です(作品全体がそうですが・・・)。
また、表現も普段描くものとは違って過激です。
そのようなお話が苦手な方はご遠慮下さい。



*この作品はメンタルヘルス的な要素や現実とは違う症状を描いております。
また年齢制限がある(若い方には不適当な)文章も含んでおります。
その為、このような文章をご理解いただける方のみご覧下さい。
十代のお若い方やメンタルヘルス的・年齢制限を感じさせる表現を好まれない方はご遠慮下さい。
読後の苦情も受けません。
























悠理の細い指がブレザーのボタンを外そうとするが、震えて上手くできない。
僕は見かねてその指に自分の指を重ねる。


「さあ、どうします?今なら止める事もできます」
「・・・・・」
「震えるくらいなら止めた方が良さそうですね」


最後の決断を、僕は阻止する方へと進める。
けれど彼女は、重なる僕等の指を見ながら頭を振る。


「分かりました。本当に良いんですね?後戻りはできませんよ。
ここから先は、“いや”も“止めて”もなしですからね」


彼女は答えない。


「悠理」
「大丈夫。ちょっと緊張してるだけだからさ」
「そう。じゃあ制服は、僕が脱がせます」


僕はブレザーのボタンを簡単に外し、するりと脱がせて床に落とす。
ブラウスとスカートも同じように脱がせると、清潔な白のキャミソールになる。
ストッキングは何とか自分で脱ぎ、彼女はベッドに座り込む。
僕は彼女に背中を向け、上半身だけTシャツになって部屋の電気を小さく落とした。
僕が近付いて両肩に手を置くと息を飲む音が聞こえた。
肩に力が入っている。けれど無視してこめかみに唇を落とす。
耳たぶを軽く噛むと、彼女は反射的に身を竦めた。
その瞬間に彼女をベッドに倒し込んで覆い被さる。もう自由は利かない。
シーツの冷たさと彼女の肌の温もりが交差して、現実感を失わせる。
首筋を愛撫しながらキャミソールとブラジャーをたくし上げて僅かな膨らみに掌を当てる。
彼女はびっくりしたように身体を捩ったが、もう片方の手で肩を押さえ込んだ。


「逃げられないよ」


分かってる、と言うように小さく頷く。
顕になったその胸を掌と指先を使って刺激すると、さっきのように身を捩った。
僕は両手で彼女の肩を押さえ込み、今度は唇と舌で刺激する。
互いの身体が熱くなるのが感じられる。
彼女から放つ甘い匂いが、僕を夢中にさせる。彼女は歴然とした“女”なのだ。
彼女の全てを知り尽くしたい。
冷静さを失い始めている僕と初めての感覚に、どう対処すれば良いのか彼女は分からない。
肩を押さえ込んでいる僕の手に、彼女は自分の手を重ねた。
その仕草に、僕はまたこの行為について思い直しそうになる。
けれど、彼女自身が気にするほどの胸の小さな膨らみでも、僕の理性を狂わせるには充分だった。


「ダメ、ですからね」


僕はもう一度彼女の耳元で囁く。


「ん・・・そうじゃなくて・・・あ・・・」


彼女の喘ぎが、僕を止められなくする。

何故一度たりとも抵抗の言葉を言わない彼女を勝手に責めるのか。
何故彼女の誘いに、僕の理性が狂い始めるのか・・・

僕は僕の思うままに彼女を愛撫する。
彼女は戸惑いながらも僕に合わせるように、Tシャツの上から遠慮がちに身体を手で愛撫した。
それだけで、僕には充分過ぎるほどに理性をなくさせる。
下腹部に触れる。けれどまだ僕を受け入れる準備が成されていない。
指の強い刺激では、余計に負担をかけるだろうと太腿に触れゆっくり愛撫するように刺激を深めた。
少しずつ少しずつ中心へと責める。
彼女の吐息が僕の耳にかかると、理性は完全になくなってしまった。
僕は彼女のショーツを素早く脱がせ、自分の制服のスラックスとブリーフを下げた。
彼女の片膝を立てて自身の熱くなった肉体を彼女の中に押し入れる。
彼女は小さく叫んだが、僕にしがみ付いてその痛みに耐えた。
身体を揺らして奥へ進む。
その度に彼女は硬く緊張し、それが余計に僕を締め付ける。
何度か射精をしそうになったが、動きを止めて深呼吸をした。
今射精をしてしまったら、この現実が全て夢となって消えるようで怖かった。
シーツに落ちる汗の音が、彼女の喘ぎが、現実と夢を結び付ける。
僕は彼女の中で動きを止め、上半身を使ってもう一度首筋や胸を愛撫する。
彼女はまた身を捩って両膝を動かした。
次の瞬間、僕の肉体は彼女の奥へ深く入り込み、すぐに絶頂を越え、音を立てるように二度射精をした。
彼女はそれを全て受け入れるように収縮している。

暫くの間動けなかった。
虚無感が、僕を襲う。


「清四郎・・・」


彼女が小さい声で僕の名を呼び、それをきっかけに僕は彼女の中から自身を抜いた。
身を起こし、僕はスラックスを調える。
彼女もゆっくり起き上がり、僅かな明かりの中を手探りするように下着やストッキング寄せ集めて身に着けている。


「着た?」
「うん」
「電気を点けるよ」


一瞬にして仮眠室が光を取り戻す。
互いを見ないように意識しているのが分かる。
僕は乱れたベッドのシーツを剥ぎ取り、丸めて持ち上げる。
後でビニールに入れて処分しなくてはいけない。
仮眠室のドアを開け放し、エアコンデショナーの空気清浄機能をフル回転させる。
部屋に残る二人が放った匂いを消さなくてはならないからだ。
僕はドアに凭れ、悠理はマットレスに座り込んでいる。
どのくらいそうしていただろうか。
彼女は立ち上がって僕の傍に来た。


「清四郎、今日はありがと」


僕達は深く見つめ合い、互いが冷静を取り戻した事を知った。


「もう、無理は言わないから。後の事は、分かってるから」
「悠理」
「これ以上、清四郎に迷惑かけないよ」


それだけ言って立ち去ろうと背中を向ける。
瞬時にその腕を取って、僕は抱き寄せてしまう。
さっきの虚無感が甦る。

彼女は・・・もう僕から離れてしまう・・・

今度は優しく、けれどしっかりと彼女の細い背中に腕を回して抱き締める。


「怖かったでしょ?」
「ううん。清四郎」


頬を寄せ、初めて唇を重ねる。
ずっと、避けていた。そうしてしまっては、いつか移ろう気持ちが怖かったから。
けれど、今、彼女を失う方がもっと辛い。

どちらからともなく身体を離すと、彼女は黙って部屋を出て行った。










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