こちらは有閑倶楽部二次創作小説ブログとオリジナル小説ブログです。 日々の出来事もつぶやいています。 原作者・出版社とは一切無関係です。 誹謗中傷・作品の無断転載は禁止です。 管理人の文章やブログスタイルが合わない方はご遠慮下さい。不快と感じたコメントは削除致します。
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トントントンって三度のノックで入って来たのは清四郎。
何となく顔がニヤニヤして、イヤな感じ。。
「凹んでるって?」
「へ?」
「魅録から聞いたんだ。野梨子達と喧嘩したって」
「あー・・・」
「いつものように些細な事でしょ?どうせ」
「はぁ、まぁね」
んん~?って言う感じで、ベッドに寝転んでいるあたしの顔を覗き込む。
でもって、やっぱりニヤニヤしてる。
「ちゃんと謝った?」
「うん、ま、ね」
「悠理のワガママが過ぎたんじゃない?」
「まぁ、そんな感じです。でもちゃんと謝ったよ!」
「どうやって?会えてるの?」
「・・・メ、メールですけど・・・」
一週間前、野梨子と可憐とケンカした。
原因は、あたし。
清四郎が言うように“些細な事”、多分。
だって、あいつらの買い物って長くて付き合いきれないもん。
メールだけど謝ったつもり。
野梨子も「もう気にしてませんわ」って返信してくれたけど、部室ではちょっとヨソヨソシイ・・・
だからここんとこ、あたしは下校時間になると部室に寄らずに直帰。
「メール見せて」
返事を聞く前に清四郎は、チェストに置きっぱなしのあたしの携帯電話を手に取る。
おい、勝手に見るのは“プライバシーの侵害”だぞっ!
「お悩み解決。プライバシーの侵害だとは言わないでね」
「・・・はい」
しばらくメールを読んでいる内に、清四郎はクスクスと笑い出す。
「悠理。これじゃあ、野梨子も可憐もいつも通りにはなれませんよ。
まあ、とっくに許しているとは思いますがね」
なにがさーって、あたしも清四郎の横から携帯電話を覗き込む。
清四郎が見てるのは、送信ボックスばかり。
“野梨子~ゴメンヨ~
もう絶対、どんクサイなんて言わないからさ~
許してよ!”
“え?ほんと?許してくれんの?
サンキュー!
もう絶対、どんクサイって言わないからね!
大好きだよ~。心の友よー”
“可憐、ごめんね。化粧がキツイなんて言って。
思ったコトをすぐに口にすんなって、魅録にも言われたんだ
ホント、ゴメン!”
“あたしのメールが気にいらない?なんで?あやまってるのに?
香水のつける量のコトも怒ってんの?
ゴメン、もう言わないからー
可憐、アイシテルね”
・・・・・
「な?ちゃんと謝ってんだろ?」
「う~ん、まぁね。悠理らしいって言えばそうだけど」
「直さなくちゃいけない?」
「いつもの悠理で明日から部室に行けば?多分それで、大丈夫」
それに・・・
清四郎はあたしの携帯電話を見つめながらニッコリと微笑む。
「僕は悠理からもらうメールが好きだし、悠理らしい言葉の羅列も好きです。
そしてそれは、多分僕だけじゃないと思う」
いつの間にか清四郎と目が合っていて、ドキリとしちゃう。
耳まで熱くなっているみたい。
「な、何言ってるか、分かんないぞ」
「そう?」
「このメールの、ドコが悪いのさ?」
「気になる?」
「う、うん」
「もう、いいんじゃない?野梨子達だって悠理がいなくて淋しがってるさ。
それにこれを直したら、悠理が悠理でなくなっちゃう」
「そっかなぁ・・・」
「気にしない、気にしない」
「ん・・・」
「そう言っても気になる?あはは。そんな悠理が、僕は好きだよ」
さっきまでのニヤニヤがニッコリウィンク。
まるで・・・中等部ん時の、生徒指導室での一件みたいだ。
「明日から、部室に行こう。みんな、悠理が来るのを待ってるよ」
清四郎はそう言うと、いつもみたいにあたしの頭をナデナデして帰っていった。
うう~ん。
でもやっぱ行きたくない!
清四郎~、照れるだろ?
何回あたしを好きって言ったのさ!!