こちらは有閑倶楽部二次創作小説ブログとオリジナル小説ブログです。 日々の出来事もつぶやいています。 原作者・出版社とは一切無関係です。 誹謗中傷・作品の無断転載は禁止です。 管理人の文章やブログスタイルが合わない方はご遠慮下さい。不快と感じたコメントは削除致します。
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家に帰ると、姉貴が台所でコーヒーの立ち飲みをしていた。
「おかえり」
「行儀悪いじゃないですか」
「なによ。帰ったら“ただいま、お姉さま”でしょ?」
「・・・・・」
「で、どうだった?」
「何が?」
「決まってるでしょ?チ・ヨ・コ・レ・イ・ト」
「ははは・・・そんなもの、部室に全部置いてきましたぁ」
「いっぱいもらえたの?」
「当たり前じゃあないですか」
「美童ちゃんより?」
「・・・・・」
「やっぱりね。ま、私が好きになるんだったら魅録くんかな?
美童ちゃんは遊びね」
「は、そう?(美童はともかく、魅録が相手にするか!)
姉貴、チョコレートは量よりも想いの強さですよ」
姉貴は変なものでも見るような眼で僕を見つめる。
「へえ~。そんな子いるの?」
「いるわけないでしょ。
それよりチョコレート、食べたいんなら明日持って来ようか?」
「いらないわよ。だって食べすぎはお肌に悪いもん♪」
ふん。そろそろお肌も曲がりくねる年頃だろうが!
「え?なに?何か言った?」
「いえぇ・・・姉貴は本命さんにあげないんですか?」
「ふふん。私は高いのよ」
「???」
じゃあね~と言うと、台所から出て行った。
くだらない会話に軽く後悔しつつ自室に入ると、すぐに部屋着に着替えて机に着いた。
頬杖をつき、窓の外を眺めながら、先程の姉貴との会話や部室での事を思い出す。
“誰が贈ったかにもよりますよね。想いは、ね”
“チョコレートは量よりも想いの強さですよ”
ほんのちょっと・・・本気かなって思ったんだ。
まだ中等部だった去年のバレンタインの日、思いがけない人からチョコレートをもらった。
放課後の教室で独り、学級委員の最後の仕事をしていた時。
「おっす。まだいたんだ」
「おや、補習?」
「ん、ま、そんなトコ」
放課後も随分遅い時間で、窓の外は真っ暗。
窓ガラスがまるで鏡のように室内を映し出していた。
「後ろ手に持っているのは、何?」
窓ガラスに、彼女が僕から隠すように持っている小さな紙袋が映っている。
「え?あ?なんで?」
彼女はすっかり慌てふためき、その紙袋を落とした。
何かブツクサ言っていたようだけれど、忘れた。
それよりも僕の足元近くにしゃがみ込んだ、彼女のふわふわの茶色い髪の毛が揺れていたのが印象的だった。
柔らかな髪から覗く、真っ赤な耳もまた・・・
「これあげる!」
突如として立ち上がり、耳たぶに負けないくらい真っ赤な顔をして僕の顔に突き出した紙袋。
そう。
確かその紙袋も(下品なほど)真っ赤で。
「え?何これ?」
「チョコ。ほ、ほら、バレンタインだし、仲間になって初めての。
だから、魅録と美童にもあげた。白鹿と黄桜もそうしてるから、そうしなさいってさ」
「え、え、え?」
「菊正宗にはいつも世話になっているし、助けてくれたし。だから、ね?はい」
驚いて棒立ちになっている僕にそれを無理矢理握らせて・・・彼女は教室を出て行ったんだ。
「け、剣菱さん・・・悠理・・・」
僕も、首から上が酷く熱くなるのを感じた。
心臓が高鳴っているのも。
心の底から湧き上がる、不思議な気持ち。
もしかして・・・もしかしたら・・・
「あああっ!それなのにっ!!」
すっかり郷愁的な気持ちだった僕だけど、その後の出来事を更に思い出し、声を荒らげて立ち上がる。
そうだ、そうだ、そうだ!
僕はあの後、悠理へのお返しに真剣に悩んだんだ。
野梨子や可憐へのお返しも、もちろん。
でもねぇ。彼女は、特別だったんだ!
去年のホワイト・デーまではね・・・
1. 可愛いですう!
中学校や高校の頃のバレンタインって、なんかすごく特別な感じがして素敵です。
kotanさまのお住まいはすごく寒そうなんですけど、あったかくお過ごしくださいね。私もホッカイロを手放せません。(笑)それではまたお邪魔いたします!
じんじゃーさま
お元気そうで良かった。
いつもいただく作品へのコメント、感謝しています♪
そう・・・悠理ちゃん、ちょっとやらかしたんですね~(笑)。
そのところ、どういう風に表現しようか、今考えています!!
私は女子高だったので、小・中学校で特別な日を過ごしました。
そんな特別な日に・・・悠理はですね~♪
こちらは毎日氷点下です。
でも、ここ数年に比べたら雪が少ないので少しは楽かな。。
じんじゃーさま、体調を崩さないように気をつけて下さいね!
お互い、頑張りましょう!!