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charm anthology

こちらは有閑倶楽部二次創作小説ブログとオリジナル小説ブログです。 日々の出来事もつぶやいています。 原作者・出版社とは一切無関係です。 誹謗中傷・作品の無断転載は禁止です。 管理人の文章やブログスタイルが合わない方はご遠慮下さい。不快と感じたコメントは削除致します。

2011/05/19

友達以上・・・2

お待たせ致しました~♪

リクエストにお応えしまして、

”おふぇんす魅録”

を描いてみました!


しっかし・・・
恋愛に不器用な清四郎&魅録。
そして相手が、悠理でしょ・・・

どうなるんだろう???









にこやかに笑うおじさんコック長のハンバーガー自販機を不思議そうに眺めながら、
もう5個目のハンバーガーを食べている。
一体何の肉が使用されているか分からないから、もう少し先のバーガーショップまで待てと言ったのに。
お腹の虫がうるさいからとオートスナックに寄った。
自販機には、親友のお腹の虫とは違うぷよぷよした黒い小さな虫が、夜の明かりを目指すかのように数匹飛んでいた。
本格的な夏になれば、食欲が失せる程の蚊や蛾がこの自販機の灯りにわんさか群がるんだろうな。
それでもこいつは・・・関係なくこのハンバーガーを買って食べるに違いない。

小高い丘から夜景でも見て・・・と思ったのに。
まずはこの場所か、と思う。
でも、これが親友なのだから仕方がない。
腹の虫も収まったのか、隣の自販機でコーラを買って一気に飲み干すと、
満足気に俺を見た。


「なあなあ、もうちょっと走ろうよ」
「うん」


排気量750cc以上もある俺の自慢のバイクにこいつを乗せるのが、一番の楽しみだ。
でも今日は、今日に限って、俺の腰に回す親友の腕に違和感を覚える。
胸が苦しいくらい。

いつもよりスピードが出ている。
いつもより、親友の腕に力が入る。

夜景が綺麗な小高い丘、
恋人達の為に存在するその場所へと走らせた。


駐車場に着いてヘルメットを外すと、初夏の心地よい夜風が俺達に吹いた。
小さな溜息が聞こえたかと思うと・・・


「ねぇ、清四郎の言ったコト、どういう意味だと思う?」


ナンだよ!まだ気になるのかよ!
まんまだって言ってただろ!?


俺の気持ちなんて考えないで訊いてくる。


「異性を感じないのに、恋人未満が変わるかもって」


親友の意外な発言に、俺は驚く・・・


「さ、さあ・・・どだろ?意味なんてないんだよ。
からかってるだけだろ?」
「ええ~、そうかな?あたし・・・」


あたし?
親友を振り向く。
駐車場の外灯が、その小さな顔を照らしていた。
俺はまた驚く。
ほぼ男だと思っていた親友が、知らない少女の顔みたいに見えたから。


「あたし、分かりませんよって清四郎が言った時、
ちょっとドキッとしたよ。分かんないけど」
「ふうん」


自分の掌を開いたり握り締めたりしながら、いつもとは違う表情で言う。
まるで・・・そうだから、俺はちょっと意地悪したくなる。


「悠理が変わんないと、恋人ナンとか変わるわけないだろが」
「あたしが変わるって?」
「今のままじゃなくさ」
「女らしくしろってコトか?」


俺は黙っていた。
だって、親友にはありえない行動だから。


どうだ。無理だろ?


「それは」


ちょっぴりドキドキしながら返事を待つ。


「ムリだ!」


はっきり、きっぱり。


「ほら、そうだろ~」
「でもさー」


ええ~、まだナンかあるのかよ?


「清四郎が言ってるのって、そういう意味なのかなあ」


またまた意外な発言に、今度は言葉を失った。

穏やかだった風が、ほんの少しその強さと方向を変えた。
柔らかな髪が、気持ち良さそうに揺れている。
親友は風を良く感じるように空を仰ぎ、目を閉じた。


とても、きれい。


遠くに望む夜景。
いつもなら、早く行こうと腕を引くはずなのに。
憂いを帯びたその表情は、心情を表しているの?


親友に見蕩れている自分に驚き、首を強く振る。
俺は清四郎の言った意味をもう一度考え直す。


悠理が変わるんじゃなくて。
そのままの悠理を、いつか・・・異性として、意識する?
清四郎が?


俺の胸の中で、小さな火が付くのを覚える。


「清四郎にお前の何が分かるんだよ。そうだろ?
あいつと知り合ってからの時間は長いだろうけどさ、
俺と友達だった時間の方が、遥かに長いんだ」


俺は親友に詰め寄った。
驚きの表情から一瞬、怒りの目を向けたが、
俺がその細い手首を強く握った途端に表情が変わった。
今にも泣きそうな顔してる。


何でだよ!
何であんなやつの為に、そんな顔するんだよ!

そうだ。
俺の方が、悠理を知っているんだ。
性格や行動も。
表情や習性だって!(ペットかよ)

あいつに何が分かるって言うのさ。

 

今のままの悠理の良さを知るのは、俺だけで充分なんだ。

 

 

拍手[19回]

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コメント

1. 魅録ー!

 萌え!!・・・・はっ!こんばんは。あいさつもせんとすみません。悠理ちゃんも魅録さんもせつないですねー・・・。まだ自分が本当は何を欲しがっているのかわかっていないようなもどかしさが微妙な空気をかもし出しているんでしょうか。
 このお話って連載になったんですか!?マジで!?うれしいです!すごい楽しみです!kotanさまー!続き待ってますー!(お行儀が悪いですね)ムリせずがんばってくださーい!

じんじゃーさま

いつもありがとうございます。
勢いで続きを書いてしまいましたが、もう、どうする事も出来ません!
この感じだと、次は清四郎の番でしょうか?おふぇんす・・・
何となく、魅→悠→←清と言うような構図が出来上がってしまいました、が。
いやぁ、困りました。
この先、どういう展開にしようかな。
彼等が、本当は何を欲しがっているのか・・・
頑張って考えてみますね!
ありがとうございます♪

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