ご訪問ありがとうございます!
待ち時間にちょっとできたので、こちらのブログにアップです♪
ボツネタなので、ご了承下さいませ。。
連休のある日、高原へ、ちょっと早い紅葉を仲間達と見に行った。
晴れ渡った秋空の中、悠理がひどくはしゃいでいる姿を魅録が愛しそうに彼女を見て言った。
「意外と可愛いんだよ、こんな時。子供みたいで」
僕達はその時、原っぱにレジャーシートを敷いて寝転び、弁当で一杯になったお腹を休めていた。
魅録の言葉は僕にちょっとした苛立ちを与え、皮肉の一つでも言おうと思ったが、彼に言ってもただ腹を立てさせるだけと思い、ふいに矛先が悠理に向かった。
「悠理、週明けは英語の小テストがあったし、そろそろ中間テストも近いでしょ?今日明日でテスト勉強しますか?」
僕は体を起こしてそう言う。
でも言った途端、彼女は笑顔を曇らせ、涙目になって抗議してきた。
「何だよ、せっかく人が楽しんでるのに!そんなの今言わなくてもいいじゃんか~」
「だって、また赤点追試だったらどうするんです?次の連休はお遊びなしになっちゃいますよ?」
「え~、でもぉ~」
魅録も体を起こして言う。
「まあまあ、悠理をイジメんのもそこまででいいだろ、清四郎。小テストも中間テストも俺が面倒見てやるよ」
「ほんと?」
「当たり前だろ。だから今は思いきり遊べよ」
「やった~!魅録ちゃん、アイシテル♪」
悠理はみるみる満面の笑みになり、翻って遠くの女性陣と美童の所へと駆けて行った。
魅録はそんな彼女の後ろ姿を清々しい感じで見送り、僕に笑顔で振り向いた。
「女心と秋の空。
相変わらず悠理は喜怒哀楽がはっきりしてるぜ。ま、そこがあいつのチャームポイントでもあるんだけどな」
「確かに感情の変化は激しいですね。でも・・・」
そう言いかけた時、今度は野梨子が微笑みながら手を振って近付いて来た。
「野梨子、どうしました?」
「どうもこうもありませんわ。悠理が向こうのアスレチックに行くと言うんですもの。私は無理ですからこちらに来ましたの」
「え、アスレチック?俺もやりたい」
「なら行くと良いですわよ。可憐も美童もうんざりしてついて行ったんですから」
「清四郎は?」
「僕も行きたいですね。寝転がってばかりじゃあつまらないですから」
「あら、まあ、では私はここで荷物番をしてますわ」
「え、それじゃあ野梨子がかわいそうだな」
「では、魅録も荷物番でお願いしますよ。僕は悠理達の所へ行きますんで」
「え、だって・・・」
「まあ、魅録、助かりますわ。私と一緒にいて下さいな」
野梨子は嬉しそうに僕達の間に入って座り込んだ。
最高の笑顔を魅録に向けて。
僕は知っていた。
彼女が魅録を好く思っていることを。
「嬉しいですわ、魅録」
「あ、う、うん」
魅録は野梨子の笑顔にすっかり心を奪われているように、でれっとした感じで見とれている。
「じゃ、僕は行きます」
僕が立ち上がっても、二人はそれに気付かないで見つめ合っている。
所詮は“男心と秋の空”。
女性のように感情の変化が激しくなくても、愛情の移り変わりはあるようで。
僕はちょっと肩を竦めてから首をぐるぐる回す。
それから悠理達のいるアスレチックの方へ駆け出す。
移り変わる前に早く!
なんてね・・・今までどんな逆境においても変わらぬ心であった僕に、そんな諺なんて通用するものか。
僕は今日の夜から明日にかけて、勉強会の約束をさせる為にダッシュした。
1. 堪能しました。
清四郎がとても前向き。
これがボツネタだなんて!
魅録と野梨子の関係もいいなあ。
悠理はきっと勉強の約束をさせられ、不平不満ながらも言うことを聞くんでしょうね。
清四郎!秋のいまこそ、食べ物で心を鷲掴みにして!
うつき様
食べ物がおいしい秋になりました。
我が家もいただきものの“里芋”が毎日食卓に並んでいます♪
最近のお話はちょっと淋しいものが多かったので、
今回は澄んだ秋空を眺めながら、軽めのお話が描けました。
この後清四郎は、半ば強引に悠理を自室に閉じ込め、
楽しい勉強会を開いたことでしょう♪
ありがとうございます♪