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お天気が荒れてますね・・・皆様のお住まいはどうですか?
こちらは強い雨が午前中から降り続いております。
お出かけの際はどうぞ気を付けて下さいね。。
さて本日アップは「君に愛の花束を」の勝手に続編です!(笑)
夏ごろにアップ予定でしたが、なかなか書き進めることができなかったので・・・今♪
暑い陽射しに目が覚める。
爪先から太腿にかけて焼けるように熱く、陽射しを避けようにも体が痛くて動かない。
仕方なく視線だけ動かしてみる。
悠理がソファから落ちそうになって眠っている。
魅録は僕の後方に横になっていた。
どうして、こんな格好で寝てるんだ?
視線だけでなく頭も回転させてみる・・・そうだ。ここはタヒチだ。
千秋さんの誕生日に間に合うようにと、時宗さんと万作さん、
そしてメンバーと共にサヴァイヴァル・レースの如くこのホテルまでやって来たんだ。
誕生日には何とか間に合って、そう、大百足に刺されたミス・タヒチ(もう三十年も前だった!)へも解毒剤が渡されて助かったんだ。
ああ、そうだ。
砂浜に残してきた野梨子や可憐、パイロットを迎えに行かなくては・・・
「つぅっ!」
全身に痛みが走る。
日本を出る時からバタバタと事件に巻き込まれ、疲れた体に鞭打ってこうしてここに辿り着いたのだから当たり前だ。
僕は痛みに耐えながらゆっくりと体を動かす。
“いつでも、絶対助けますから”
そう野梨子に約束をしたのだから、何とか起き上がって行かないと。
上半身を腕で支えるように起き上がる。
ドシンッ!!
「え?悠理!!」
大きな音がする方を見てみると、悠理がソファから転げ落ちている。
痛いだろうに・・・けれど彼女は、自分がソファから落ちたことにも気付いていないようで、すやすやと眠って目覚めない。
「おお、悠理、大丈夫か?」
落ちた音に目覚めたのか、魅録は彼女が落ちた方に大きく寝返りを打つように移動した。
「う・・・ん」
意識的にか無意識なのか、彼女は魅録の胸元でころころと体勢を整えてから気持ち良さそうにまた眠る。
そんな彼女の背中に手を回し、あやすように軽く叩いている。
二人はまるで普段からそのように眠るみたいにすっかり落ち着いている。
僕はどうしたら良いのかと迷いつつ、そのままの状態からしばらく動くことができなかった。
見てはいけないものを見てしまったような・・・
複雑な気分で体を横たえてしまう。
もう少し眠りたい。
野梨子に約束をしたのだから行かなくてはと思う。
野梨子だから、と言う訳ではない。仲間なら皆に対して同じ気持ちなのだ。
それは魅録だって、悠理だって同じはずだ。
けれど二人がこんなんじゃあ、やっぱり僕が行かないと行けませんよね。
そう思いながら、僕はまたぐったりと眠りについてしまったようだった。
次に目覚めた時、魅録はいなくなっていて、悠理だけが先程のままで眠っている。
声をかけずにじっと見守っていると、ゆっくりと大きな瞳を覗かせた。
「清四郎、おはよ。魅録は?」
「さあ・・・美童といるのかな?」
「ふうん。あたた、体が痛い。ねぇ、もうちょっと寝たいよ。清四郎はどうする?」
「野梨子達を迎えに行かないと」
「あ、そうだった。行くか・・・」
「僕が行きますよ。魅録も行くかも知れないし。悠理はまだお眠りなさい」
「うん」
「ソファに上がったら?床だと余計に体が痛いでしょ?」
「う~ん。でも体が痛くて動けないよ。清四郎、抱っこ」
「へ?」
彼女は寝転んだまま僕に両手を差し出した。
「おねがぁ~い♪」
やれやれやれ・・・僕は自身の体の痛みを我慢して立ち上がり、悠理を両腕に抱き上げる。
「わぁ~い!」
彼女は喜んで僕の首根っこに腕を絡めて抱き竦める。
「こらっ!悠理、止めろ!」
僕はよたよたとよろめく。
ソファまで何とか彼女を運んだが、ふざけて僕を放さないものだから、思わず悠理に覆い被さる。
「うわっ!」
「清四郎、痛いよ」
「!!!」
互いを訴えようと顔を向き合わせてしまった時・・・彼女の唇が僕のそれにぶつかってしまった。
「・・・・・」
「す、すまない」
しばらく僕達は動けずにいた、が・・・
パサリと、今度は後ろで何かが落ちる音。
びっくりして振り向くと、魅録が、(多分悠理の為に持ってきた)タオルケットを床に落としている。
「あ・・・あ・・・」
「魅録、違うんです!」
僕は体の痛みを忘れて立ち上がる。
続けて悠理もソファから立ち上がった。
「事故だよ、事故!ちょっとあたしがふざけちゃって」
「お、お前ら、いつから」
「違うってばっ!!」
「そうですよ。僕は魅録から悠理を取ったりなんかしません」
「ええっ!?」
二人は同時に僕へと視線を向ける。
「清四郎、何言ってんだ!」
「そうだよ、清四郎のバカタレッ!」
僕は混乱してソファに座り込んで頭を抱える。
昨日に続いてこれはないだろう、と思う。
「だって、さっきまで魅録と抱き合って眠っていたじゃないですか。悠理」
「え、うそ」
「抱き合うって、ソファから落っこちた悠理を宥めただけだろ」
「そう、だったんですか?」
「きっとそうだよぅ。それに、魅録。清四郎とのは、ソファに運んでもらって、ぶつかったんだよ」
「ふうん・・・」
「悠理は、罪な女ですね」
そう言って、疲れたように僕は笑う。
続いて魅録も呆れたように笑った。
「ごめん・・・」
ドアの向こうから、聞きなれた甲高い声がする。
「ん?野梨子と可憐か?」
誰が砂浜まで迎えに行ったのだろう?美童だろうか?
あるいは、万作さんと時宗さんかも知れない。
野梨子達怒ってる?
当たり前ですよね。助けるって言ってたんですから。
喚きながら入ってくる野梨子と可憐。
その後ろに困った顔の美童が見える。
悠理と魅録も、そして僕も、ちょっと逃げ腰気味で。
ああ、女性って、難しい・・・
昨日に引き続き、きっと今日も。
女性陣に振り回される暑い日になる、そう思った。