こちらは有閑倶楽部二次創作小説ブログとオリジナル小説ブログです。 日々の出来事もつぶやいています。 原作者・出版社とは一切無関係です。 誹謗中傷・作品の無断転載は禁止です。 管理人の文章やブログスタイルが合わない方はご遠慮下さい。不快と感じたコメントは削除致します。
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ご訪問ありがとうございます。
週末、いかがお過ごしですか?
今日明日とお天気が心配ですね。。
私の田舎は今のところ曇り空です。
天気が悪くても、花粉症は緩和されず・・・
お薬を服用してますが、イマイチ。
ちょっと寝苦しい日々を過ごしています。
今朝、そんな状態のまどろみの中で浮かんだネタです。
もちろんボツ部屋です。
読んでもいいな~と言う方は、どうぞ!
まったりとした春風が窓から廊下へと、放課後の生徒会室を吹き抜ける。
メンバーの中で一番背の高い美童に、野梨子は言う。
「ねぇ、美童。本棚の上段の資料、取って下さる?」
「お安いご用さ」
背伸びなんかしなくても、手を伸ばせば簡単に。
「はい、野梨子」
「ありがとう、美童」
世界の恋人は、爽やかに野梨子に資料を手渡した。
続いて彼女は清四郎に言う。
「清四郎、この間の生徒会の会議報告なんですけどね」
「ああ、あれは、僕が後でまとめておきますから」
「助かりますわ」
不思議と彼女は、何を言っても嫌味がない。
「魅録。給湯室の電気が切れそうですの」
「分かった。今付け替えるよ」
「お願いしますわ」
野梨子はニッコリと微笑み、椅子の上に置いていた鞄を手にした。
「これから可憐と待ち合わせていますの。お先に失礼しますわ。悠理、また明日ね」
「うん。バイバ~イ!」
他のメンバーも続く。
「気をつけるんですよ」
「バイバイ」
「またな~」
開け放されていた生徒会室のドアは、静かに閉められた。
「野梨子みたいな女の子の役得だよな・・・」
床に座って雑誌を見ていた悠理がポツリと呟いた。
「特権だろ?」
隣で同じように座り込んでいる魅録が答える。
「どっちでもいいじゃん。あたしなんかいつも貧乏くじだよ」
「あはは。そうだ」
家は金持ちだけどねー、なんて言いながら、美童はいそいそとデートへ向かった。
「貧乏くじなんかじゃないでしょ?」
椅子から立ち上がり、清四郎が悠理に近付く。
「だってさー」
彼は悠理の腕を引いて立ち上げ、イジワルな笑みを浮かべた。
「いてて。なにすんだーっ!」
「週明けに悠理のクラスで小テストがあるんでしょ?今から僕の家で勉強しましょう」
「げーっ!!」
「テスト前の悠理の特権じゃあないですか」
「だってあたし、今から魅録とツーリングだもん!」
「魅録、助けて~!!」
叫ぶ彼女の声が廊下の奥へと消えた。
魅録は独り、生徒会室に残る。
物置から蛍光灯を取り出して、溜息混じりに呟いた。
「一番の役得は、清四郎だな」