こちらは有閑倶楽部二次創作小説ブログとオリジナル小説ブログです。 日々の出来事もつぶやいています。 原作者・出版社とは一切無関係です。 誹謗中傷・作品の無断転載は禁止です。 管理人の文章やブログスタイルが合わない方はご遠慮下さい。不快と感じたコメントは削除致します。
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リビングのソファの上で、泣き疲れた彼女が眠っている。
頬には、幾筋もの涙が流れた跡。睫毛は・・・まだ濡れたままでいる。
もしかしたら眠っている今も、彼女は夢の中で泣き続けているのかも知れない。
もうこれ以上・・・
僕は僕の胸の中でさえ言葉にする事が難しい。
けれど、もう何を話しても無駄だね。
君があんな風にまで僕達の関係を拒絶するなんて思わなかったよ。
僕に非があるのは分かっている。
何度改善を試みても、忙し過ぎる僕には余地が無かった。
君は、僕に愛情が足りないからだって言うけれど、そうではなくて、きっと君に甘え過ぎていたんだと思うよ。
眠っている彼女の横へそっと座る。
額にかかる前髪に触れると、泣き出しそうに顔を歪ませた。
今日で、僕達の恋を終わりにしよう。
明日からは恋人ではなく、ずっと友達だ。
君にあの頃の笑顔が戻るように、今日のこの日を僕達の「さよなら記念日」と呼ぼう。
でも今日が終わってしまう前に、君に伝えておきたい事があるんだ。
僕は彼女の綺麗な額に口付け、頬を寄せる。
僕の心からの願いが真っ直ぐ届くように。
悠理。
これからたくさんの人達との出逢いがあると思う。
でもこの恋の失敗を臆さないように、素敵な恋をして欲しい。
その為にも、素敵な人との出逢いを大切にして。
君は、そのままが一番素敵だから。飾らない君が、一番チャーミングだから。
その事も忘れないで。
君と僕がこれ以上うまくやっていけない事は、このフラれた僕が一番良く分かってる。
だからこそ全力で、精一杯の気持ちを込めて、君を自由にしてあげたい。
悠理・・・どうか君がまた、心から誰かを愛せる日が来ますように・・・
彼女に頬を寄せながら願いを伝える。
こんなにも君の幸せを願っているのに、そうしてあげる事が僕には出来ないなんて。
どうか・・・僕の代わりに、君を幸せにしてくれる人が現れますように・・・
最近は罵り合うだけだったけれど、僕は今でも君が大好きさ。
君と過ごした時間を、君を好きでいる事を、誇りに思っている。
それだけは・・・自信を持って言える。
もう一度額に口付けをし、僕は彼女を離れる。
キッチンでコーヒーを作りながら、二人の恋の終わりを遂げる朝を迎えた。