こちらは有閑倶楽部二次創作小説ブログとオリジナル小説ブログです。 日々の出来事もつぶやいています。 原作者・出版社とは一切無関係です。 誹謗中傷・作品の無断転載は禁止です。 管理人の文章やブログスタイルが合わない方はご遠慮下さい。不快と感じたコメントは削除致します。
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ホワイトデーまで少しあるので・・・(と言うか、まだ書けてない!・笑)
“冬の空”が出来上がる前にちょっとだけ書いていたものです。
シチュエーションを似せたままで改稿してみました。
私が描く美童君は、いつもコーヒー係(笑)。
今回もギリギリまで淹れてもらいましたが、
急遽、あの“彼”に代わってもらいました~♪
あ、ボツっぽいけれど、“outsider”シリーズに追加です!!
肌を刺すような夜の風が、魅録のバイクの排気ガスをいつの間にか消し去る。
ライトはもうずっと前に見えなくなったけど、いつまでもその場所から動けない。
だって、もしかしたら、もう一度戻って来るかもしんないって思って。
けれど、そんなことはなく。
“また、友達に戻ろう”
そう言って差し出された手に、あたしは自分の手を重ねた。
魅録の手はゴツゴツして、乾いたような感じで。
そしてその手は、手を握り返すこともなく・・・
ただ、互いの手を重ね合っただけ。
“友達に戻れば、いろんなコト、また話せるようになるさ”
去年の夏に、魅録とは友達よりもちょっとだけ親密な関係になった。
親密って言っても特別なことなんかなくて、ただ、友達とは違う付き合い。
二人で歩く時は手を繋いだり、遊んだ後のお別れには・・・おやすみのキスをしたり・・・
魅録が望んだんだ。
あたしをもっと良く知りたいって。
ただ肩を並べて歩くだけの関係じゃなくて・・・もっと、触れてみたいって。
あたしはずっと前から魅録が大好きだし、これからだってその大好きは変わらないって思ってる。
でも、違うんだって。
魅録のあたし大好きと、あたしの魅録大好きは、種類が違うって。
だって・・・今以上、進めないから・・・
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「わ、何ですかこの匂い。悠理、コーヒーを煮詰めたでしょ?」
放課後の部室。
あれ以来、魅録がここを避けているみたい。
教室でもあんまり口利いてくれないし。
どうしてるかなって思うけれど、あれから電話もメールもないから。
「砂糖入れてもミルク入れても、もうおいしくないや」
「でしょうね。コーヒーは飲む分だけ作らないと」
生徒指導室から戻ってきた清四郎が口うるさい。
熱くなったコーヒーメーカーのスウィッチを消す。
「煮詰まったコーヒーは、どうしたって不味いんだから」
「うん」
確かに、サーバーの中のコーヒーは真っ黒で、ドロッとした液体に変わってる。
簡易給湯室からフィルターをセットしたドリッパーとサーバー、それぞれのマグカップをトレーに載せて持ってくる。
あたしに向かってなんか言ってるけど、魅録のことで頭がイッパイだから聞きたくもなかった。
「ほら、悠理。おいしいコーヒーの淹れ方を教えてあげる」
「ああ、別にいいよー。コーヒーメーカーが作るもん」
「いいから」
清四郎は自分の横にあたしを立たせ、粉の入ったドリッパーにお湯を注ぐところを説明する。
「粉の中心に、湯を細く置くような気持ちでゆっくりと注ぐ。
粉が湯を吸収して中心部から次第に膨らんでくる。30秒位は注ぎ足さずよくなじませて」
魅録がよく、バイクや自作の機械をこうしてあたしを傍に立たせて説明してくれたっけ。
すごく嬉しそうに、自慢するように。
ちっともあたし分かってないけれど、それでいいからって・・・
「中心から外に向かい“のの字”を描くように、細くゆっくりと注ぐ。
ムース状に盛り上がった状態を保ち、平らになる前に次の湯を注ぐ」
涙がポロンって、音を立てるみたいに落ちた。
魅録が好きだよ・・・でも、友達になる握手を受けた。
だって、違うんだもん。大好きが、違うんだもん。
「中心からクリーミーな泡がドンドン出てくるから、徐々に湯を多めに注いで」
視界がぼやけてそれどころじゃないよ、清四郎。
あたし、数学のテストみたいに、とんでもないところを間違っちゃったかもしれないんだ。
「ここまで来たら味は決まり。もう濃度調整だけだから、少し早めて雑味まで落とさないようにして。
後は・・・振り返らない!」
「え?」
「悠理が立ち直るまで、僕が傍にいるから」
あたしはゆっくりと顔を上げ、微笑む。
全てお見通しって顔の清四郎に向かって。
1. 優しい!
清四郎、優しい!このまま立ち直ってもそばにいて欲しいですー!
きっと泣いちゃった分だけ、優しくされた分だけ、悠理も優しくなるんですよね!今度は間違えないでほしいです。
この包み込むような優しい清四郎、素敵!
kotanさま、素敵ー!
じんじゃーさま
本当に嬉しいです。
そうですね♪
きっと悠理も、自分が受けた優しさを与えると思います!
“大好き”の違いからこんな悲しい思いをしたけれど、
きっと次は・・・本当の“大好き”を見つけると思います!!
清四郎、優しいでしょ?(笑)
普段はちょっと冷たい感じがするけれど、
こんな時の清四郎はきっとスゴク優しいと思って。。
いつも本当にありがとうございます!!